こんにちは。
グラフィックデザインを中心にフリーランスデザイナーとして活動している楽大舎【らくだいしゃ】です。
このブログでは、デザインを生業として25年間生き抜いてきた中で修得したデザイナーとして生き抜くちょっとしたテクニックを紹介していきます。
デザインのスキルを上げたい方に是非!ご覧いただき実践していただきたい内容となっています。

アインシュタインは言いました。「クリエイティブである一番の秘訣はその元ネタがバレないことだ」と。あるデザインから発想を得て新たなデザインを生み出すことはよくあると思います。
もちろんクリエイティブの模倣は絶対に禁止だが、グラフィックの手法として気になる表現を個人的に真似をして自分のスキルとし、デザインの幅を広げて行くことは必要な事ではないでしょうか。
あるデザインにインスパイアされて生まれたアイディアでも「これどうやって作るんだろう?」と考え、作り方が分からずアウトプットへ繋がらなかったでは残念です。

そこで、今回は「80年代パンク風デザインの作り方」を紹介します。

まず、今回のテクニックを紹介するのに架空の案件を設定しました。
お題は…
パンクバンド「The CLUTCH」のキービジュアル作成
The CLUTCHとは】
80年代パンクに影響を受け、未だその渦の中から抜け出せない4人組。平均年齢52歳の初老のパンクバンド。「伝達と遮断を繰り返しメッセージを発信して行こう!」をコンセプトに「The CLUTCH」と命名。セックス・ピストルズのビジュアルに憧れながら、ザ・クラッシュのコピーバンドといういかにも日本人的なパンクバンドである。

1.画像をご覧ください。

今回紹介するテクニックで作るビジュアルです。
ちょっと尖ったデザインをしたい時や緊張感・臨場感を演出したい時に効果的に使えるデザインテクニックです。

2.今回のデザインを作るのに必要な素材はこちらです。

●バンド名ロゴ
●グランジパターン ※素材は無料イラスト配布サイトより
●スパークパターン
●コピーのテキスト&バックパターン
●写真4点(ライブ感2点・ベース1点・クリップ1点)
 ※素材は無料写真配布サイトより

それでは始めていきましょう。
新規で作る素材の作り方&加工の仕方〜合体させて完成までの具体的な作り方を紹介していきます。

3.まずは、バンド名のロゴ化です。

文字の下絵として書体を用意します。そして、ペンツールで太めにランダムにパスで文字を作っていきます。最終的に調整しますので大胆に作っていきましょう。パスで文字のアウトラインが出来たら下絵の書体を消してパスの文字を塗りロゴのベースが完成です。ここから手を加えてディティールを上げていきます。

少し文字に動きをつけてみましょう。ここではまだ仮ですので自分の感覚で少しずつ動きをつけます。また、【シアーツール】を使い角度をつけてみましょう。

最終的にロゴを落とし込む白マドスペースに合わせてロゴの動きを調整します。

ここからがポイントです!

いよいよロゴも最終工程です。グランジ加工をしていきます。グランジ加工するパターンの素材は無料イラストを配布しているサイトなどで入手しましょう。グランジ加工する素材の塗りを白にして【オブジェクト】→【重ね順】→【最前面へ】とします。図1の状態になったらグランジ加工する素材とロゴの「C」を選択し【パスファインダー】→【全面オブジェクトで型抜き】とします。この作業によって図2の様になります。

この作業を各文字にて行い色を赤にすればバンド名ロゴの完成です!

4.スパークパターンの作成

逆三角形を【回転ツール】を使い逆三角形の①の箇所をクリックして②の方向へ【オプションキー】とマウスを押しながら矢印を移動させます。回転させたいところにきたらマウスの押すのをやめるとその時点に逆三角形はコピーされます。その移動させた逆三角形が選択された状態で【コマンド+D】ボタンで移動コピーを繰り返しスパークパターンを作っていきます。
完成したスパークパターンをグランジ加工します。加工の工程はロゴの時と同じでグランジ加工する素材の塗りを白にして【オブジェクト】→【重ね順】→【最前面へ】とします。次にスパークパターンとグランジ加工する素材を選択し【パスファインダー】→【全面オブジェクトで型抜き】とします。これで色を赤のグラデーションとして完成です。

5.テキスト部分の作成

「伝達&遮断」部分のグランジ加工はロゴ&スパークパターンで行なった工程と同じです。80年代パンク風デザインに合う書体を選んで作ってみてください。

6.クリップ画像の加工

クリップ画像をグランジ加工します。ここではフォトショップを使います。【イメージ】→【色調補正】→【2階調化】で2階調化する階調のしきい値を200とします。

7.素材の組み合わせ〜レイアウト

いよいよ最後の工程です。

1.布の焦げたパターンをベースに置きます。
2.スパークパターンをその上に重ねます。
【 ウィンドウ】→【透明】→【乗算】
3.ライブ風景画像をその上に重ねていきます。
  ①【ウィンドウ】→【透明】→【乗算】
  ②【ウィンドウ】→【透明】→【オーバーレイ】
4.ロゴを白マドの中にレイアウトします。
5.コピーをレイアウトして完成です。
 また、コピーの貼り付けイメージとして安全ピンを使用している部分は
 見出し6で加工した画像を配置して使用します。

同じようなテクニックで下記の様なデザインもできます。

8.まとめ

〇〇風のデザインにしたい!なんていうオーダーがある時があります。そんな時のために〇〇風にするには何がポイントなのか普段からアンテナを張って置くことが必要かもしれませんね。ポイントさえ見つけられればそれっぽくなるんです。
今回紹介したテクニックは初心者でも気軽にトライ出来ます。
是非、実際の仕事や作品づくりなどでお試し下さい。